業績を上げるためには,従業員を育てなければならない.しかしそれだけでは,会社は育てられない.
以前サラリーマンだった時に,インドネシアに工場を立ち上げた事がある.この時はすばらしい工場を立ち上げられたと自負していた.当初鍛え上げた作業員たちは,改善意欲が高く,「不適合」に敏感な立派なリーダに育った.
当時は生産委託先で問題があるたびに「インドネシア工場を見習え」と発破をかけていた.実際にインドネシアまで工場見学に行かせたこともある.
しかし「継続」ができて初めて工場を育てたといえるだろう.
優秀なリーダがやめてゆくたびに少しずつ工場の力は落ちていった.
リーダたちは自らのキャリアアップのために,どんどん転職してゆく.
当時はリーダの離職をどうしたら止められるかと考えていた.
しかし解決方法はそこにはなかった.
育てたリーダの能力(暗黙智)を組織の形式智に置き換える.
組織の形式智を次々と新しいリーダに受け継がせるための仕組みと仕掛けを導入しなければならない.そしてその仕組みと仕掛けがうまく回る企業文化を構築する.それができて初めて「継続する」という課題が解決できる.
5年前に原田則夫氏に出会ってそれが分かった.
前職時代にこれが分かっていれば,きっとインドネシア工場の経営をさせてくれと上司に願い出ていたと思う.
初めて原田氏の工場・SOLIDを訪問した日の夜,ホテルに戻り長文のメールを元同僚に送った.
現在インドネシア工場は,より高付加価値・高品質の製品を生産し,世界中に供給している.元同僚たちが立派にインドネシア工場を育ててくれた.
人財は企業最大の戦力であるが,人財が継続して育つ仕組み・文化は企業の最終兵器だ.
posted by 林@クオリティマインド at 23:23|
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