2010年06月21日

第四回原田式経営哲学勉強会・資料

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第四回原田式経営哲学勉強会


2010/6/19
元原田総経理秘書:閻苗苗


テーマ:原田総経理培育我成長
     −原田総経理の十大原則



当日ゲストスピーカー・閻苗苗さんが使用したプレゼン資料はこちらをクリックしてダウンロードしてください.




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第四回原田式経営哲学勉強会議事録

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第四回原田式経営哲学勉強会


2010/6/19
元原田総経理秘書:閻苗苗


テーマ:原田総経理培育我成長
     −原田総経理の十大原則


原田総経理紹介
理想は人を育成することと考えている.
ソニーの恵州時代に脚光を浴び日経ビジネスに紹介されて評判になった.

原田式管理の14篇
人の心を理解して教育することが一番大事
学歴で人材を選ぶべきではない.
偉ぶることでなくリーダーとしてきちんと仕事をしていくことが管理者として大事.
言行一致で決めたことを守る.
部下は自分の鏡である.

SOLID社の改革
2001年−−育成期
2002年−−自主経営実行期
2003年−−自主経営開始

原田総経理から日々指導を受けたことを,「原田総経理指導語録」にまとめた.本には216項目入っている.
原田語録の中から,私にとって重要と思う内容を10大原則として紹介する.

  1. すべてのことは計画性がなければならない

    重要・不重要 緊急・不緊急の4マトリックスに分けて判断する.
    計画は細かくきちんとできていること.−−調整が少なくて済む.
    計画が細部にわたってきちんと出来ていないと,仕事が始まってから調整などの手間がどんどん増える.
    仕事の前に計画に時間を割いたほうが結果的に効率がよくなる.
    計画には5W1Hを考慮しなければならない.

  2. 優秀な管理は細かい点に気をつけなければならない

    1. 紙が無かった→紙を用意するように言われた.早く早くと言われた.
      大体の数で持って行った.50枚だけ必要なのだと言われた.
      なぜ総経理はすぐ50枚でないとわかったか--厚さですぐわかるはずだと教えてくれた.
      このような細かいことを知ることにより今まで気がつかなかったことが分かるようになる.
    2. 美容院のタオルについて
      昼ごはんの後は毎日工場をパトロールすることになっていた.
      昼食後のパトロールで,工場内の美容院の前に干してあるタオルが,穴があいていたりボロボロだったのを見つけた.
      良く使い込んだなと思うだけだが,総経理は管理者の観点から,美容院の管理の水準を示していると指摘した.
      このようなタオルを客に見せてしまうと,この程度の管理かと客は入らなくなる.
    3. トイレのチェックリスト
      2009年12月11日,原田総経理が亡くなる前の日にこんな指導を受けた.
      手洗いの中のチェックリストに何時に点検するというのが書かれていなかった.
      それに気がついた総経理は総務で臨時会議を開いて,トイレを管理できない総務が人事の管理ができるかと指摘された.


  3. 自分に対して厳しく,すべてについて総経理が取っていた態度について

    1. 雨・風・嵐のひも毎日6:40に出社.体の悪い時も休まなかった.
      社長なのになぜそんなに早く来るのか--朝一番にE-mailを見るのは,もしかするとすぐ処理しなければならない大事なことがあるかもしれない.
      7時に来るべき管理職が来ないと,すぐ現場にいきパトロールを開始し問題を発見しすぐに指導を開始.
      朝早くから仕事をするのは,職員の何十倍もの給料を得ているから,何十倍も仕事をしなければなならい.
      (林注:閻苗苗は,原田総経理が出社するより早く6:30に毎日出社していた)
    2. 毎日昼は2元の昼食をとっていた
      外出時も外で高い食事をしなかった.
      なぜの質問に対し2元の食事も5星級の食事も同じだ.翌日になればトイレに流れてしまう,と答えていた.
    3. 亡くなったあと総経理の後の整理をした.
      住んでいた寮を整理したら,広いが簡単で,靴も2足ぐらいしかなかった.
      リビングには簡単な家具しかなかった.
      食べ物・果物の残りがあった.
      寝室にあったベッドは高級でない,硬いものだった.テレビも古臭いものが置かれていた.
      テレビの映りは良くなかった.以前部下に教える情報を得るために見ているといったいた.
      工具がいろいろ出てきた.何か壊れたとき自分で修理していたと思われた.
      偉い総経理の生活の要求レベルがこのように低いものとは想像できなかった.
      総経理は贅沢にたいする欲求レベルは非常に低く,部下をいかに育てるかということ,成長を見ることが自分の幸せとしていたと思う.
      家族もこのような生活をしていたというのは初めて知ったようだ.
    4. 台湾での仕事
      30年前の総経理の台湾での仕事は,次長としてたくさんの改革をすることだった.
      会議の中でだんだんわかってきて一緒に改革を進めて行こうということになってきた.
      いろいろ細かいことからやってくことにより,地位は高くなかったがみなが一緒にやってきた.
      どうやって上司や仲間を説得して進めることができたのでしょう.
      毎週日曜日に塗料を自分で買って塗って修理して行った.
      周囲の修理をしている人が今までの管理者と違う面を見て,多くの人が一緒に参加するようになった.
      一年後には見違えるほど工場がきれいになった.
      自ら進んで仕事をしていく態度が信頼を得てきたものと思います.
      以降は総経理が原田次長を信頼して仕事を任せるようになり,改革の作業がスムーズに流れるようになった.
      どんな困難にあってもあきらめることはない.
      努力をしてあきらめないことが大事だということを知った.
      困難な時に喜びを感じる人がこれから成長していく大事な人だ.


  4. 部下は自分の子供.正しく指導をしなければならない

    1. 管理者は昼食後休んではいけない.
      休み時間は大切な時間である.休み時間にしか見られない問題がある.
      食事に行くときは下を見て歩くのではなく,周囲を良く観察する.
      従業員が名札を着用しているか,右側通行をしているか,服装に乱れはないかなど.
      総経理は風景に対しても別な見方をしていた.
      それまで私は色々観察することが無かった.
      総経理は色々な歩き方を見せてくれた.技術の部長・他の部長の歩き方を真似して見せた.
      このようなところまでよく観察していた.
    2. 資材担当者の指導
      資材部の担当者が,辞職したいといってきた.
      彼女が食事のときにだれと食べているか見ていた.
      毎回あまりコミュニケーションが上手でない人と食事していた.
      一時間ほど面談した.
      秘書は,コミュニケーション・笑顔が大事と指導した.
      友達が10人いると10個の良いところを学べるので10個分の楽しみがある.
      原田総経理には2500個分の楽しみがある.
      たくさんの人と交流することにより,多くを学ぶことが出来る.
      貴重な時間を費やして失敗から教訓を学んでほしいと指導していた.
    3. 積極的に転職するよう指導していた
      董事長(オーナー)には,なぜせっかく育てた管理職を外へ出すのか理解できなかった.
      わが子に良い成績の子がいたらより良い学校に入らせようとするのは自然ではないか.
      別の会社に行って能力をより伸ばすことができる.
      SOLIDは優秀な人材を輩出することができる


  5. 外部の会社に自分が持っている知識能力を指導された

    毎月半分以上を費やして外部を指導されていた.熱心にまじめに対応されていた.

    1. 来客時に原田総経理は水を一適も飲んでいなかった
      30人の工場見学客が来た.
      見学客が休憩時にご飯を食べに行くときに飲み水の補給をした.
      総経理は朝8時から夜8じまで一滴も水を飲んでないことに気がついた.
      水を飲まなくても慣れているのだ思っていたら,会議が終わって終わったら一気に水を飲み干した.
      水を飲みたいのを我慢してお話をされていたのだった.
      総経理は去年11月に体調を崩された.
      腰から足に掛けて痛みが走って立つこともできないほどだった.
      この時もアポをキャンセルせず対応された.
      午後工場見学の客がくるので,昼休みに少しでも休んでもらおうとしたら,工事の騒音が非常にあった.そのとき自分の判断で,内装工事の騒音を静かにするよう頼んだ.
      騒音が消えたのを気がついた総経理は君が止めさせたのかと咎めた.
      客が来てから騒音を出さないようにいまは工事を続けなさいと言った.

      頭の中身をUSBでコピーしてあげようかという笑い話をしたことがある.人に自分の知識能力を伝えるのに長けていた.
    2. ワーカートレーナーに対する指導
      ワーカートレーナーが今後管理の仕事をしたいと答えた.
      管理者は部下を使って成果を出す仕事だ.
      部下を育成することは,自分の成果を上げるだでなく,部下も成長し将来に希望が持てる.
      このような指導で信頼関係も作れる.
      自分の知識をあえて教えないということもあるが,自分のためにならないだけでなく,部下も信頼感を持てなく,会社を辞めてしまうこともある.


  6. 連想力と分析力

    1. 組長の離職
      ある組長が突然辞職した.部長も人事も離職の原因が分からなかった.
      ちょうどその頃工場の近くに尋ね人のポスターがたくさん貼ってあった.
      総経理はそのポスターを持って来なさいといった.自分にはその理由がわからなかった.
      同時に辞めた組長の資料を持って来るように言った.
      その二つを比較しても関連は無かったが,その尋ね人と組長が同一人物,組長が偽の身分証で入社していたなどの可能性を,総経理は考えていた.
      情報から関連性を見つけ連想することが大切と教わった.
    2. 離婚率と離職率の関連
      総経理は,新聞で離婚率が上昇しているという記事を見て,2009年の離婚率の高い都市のデータを出すように指示をした.
      北京39%・上海38%・深セン36%だった.
      このデータで離婚率から離職率を分析した.
      離婚の原因
       性格の不一致
       がまん強さに欠ける
       両者のコミュニケーション不足
       相手を誤解→離婚原因

      離職の原因
       個人と企業文化の不一致
       がまん強さに欠ける
       両者のコミュニケーション不足


  7. 相手の立場でものを考える.サービス精神

    1. 蛍光管の交換後に,床に埃が残ったまま
      会社の照明が壊れた.担当職員が修理した.
      蛍光管を交換する時に,埃が落ちたが掃除しなかった.
      自分の仕事は完了したが,人の仕事を増やしたことに考えが及んでなかった
      掃除の係が掃除をする必要が出たことに何も感じていない.
    2. 総経理の運転手
      総経理を迎えに来た時に,運転手はマンションの中で洗車していた
      会社に出勤してから運転手を指導
      マンション敷地には,外部の車は入っていけないことになっていたがガードマンが原田総経理と親しいことを利用して入っていた.
      マンションの水を使って洗車をすることにより,他の住人にどんな迷惑,ガードマンがとう見るかを考えていない.
      このような車に毎日乗っていることが気分悪い.
      しかし運転手を処罰することはなかった.

      原田さんの友達で香港の大金持ちがいた.
      彼が食事後に,運転手が来るのが3分遅れた.運転手は翌日解雇された.
      原田さんはこの大金持ちと違って,運転手には家族もいるので相手のことを考え,処罰をせずに指導をした.
    3. 工員の休暇について
      12月には有給を取る人が増える.
      総経理が毎日何人が休暇を取るか質問した.
      その指示に従って,毎日メモに休暇者の人数を書いて報告していたが,総経理からはサービス精神が足りないと指導された.
      上から言われた仕事をただするのと,自主的に相手の要求を理解して仕事をするのでは結果が違う.
      相手のことを考えて仕事をしないと成果が出ない.
      結婚生活でもおなじ.姑や夫から繰り返し要求されることから相手が何を望んでいるか考えて仕事をすることが重要.


  8. 能力の活用と愉快に仕事をする

    1. 管理者は総合的な考え方をもち新しい角度から見ることが必要.
      人事部から製造部へ異動すると人事部の角度から製造部を見ることができる.
    2. ステップアップホリデイとリフレッシュホリデイ
      ワーカーがある時期になったら休みが取れる.
      能力を上げるために休める.
      3〜6か月別の会社で働くことができる.
      他の会社での良い経験を携えて戻ってくることができる.
      現場の出身で人事部内部に昇格した人が労働契約を整理すると前職の知識を生かせることになる.
      製造現場と同じように流れ作業のように整理すると,一人ひとりの能力を使えるので効率が良い仕事になる.
      現場の流れ作業を労働契約の整理で応用した例.
      職員が部長まで上がるのは各段階での知識を使ってステップアップしていく.


  9. 総括整理能力

    秘書は内部から登用募集することが多い.たくさん指導してもらえる.
    私たちは高い学歴を持っているわけではない.
    成長したいという希望を持ってやってきている.
    20歳少し過ぎた人に大事なことは整理すること.考え方をまとめること.

    1. 総経理のテスト
      地図を言葉で表現する練習.
      絵に描いて見せた人もいた.
      総経理がほほ笑んで面白いといった.君たちの総括能力は低い.もっと伸ばさねばならない.
      理解能力は大切で相手のニーズがわからないとコミュニケーションができない.
      表面的でなく,相手を理解して機動的に行動できなければならない.


  10. 応用能力

    総経理が応用力のテストした.
    秘書を全員集めて緊急会議を開くよう指示をした.
    9分かかって皆がそろった.
    総経理は失望した.3分以内に全員集合すべきだ.
    すべてのことが変化するので変化に対応できることが大切.
    変化の目的は何かを理解してみなに知らせることが重要.


原田総経理は,人生の最後の時点まで私たちにこのようなことを教えてくれた.

総経理の死は私たちに大きな変化点だった.
変化があった時に,泣いたり騒いだり文句を言ったりするのではなく,冷静に見つめることが大事と教えられた.

総経理から見たり,聞いたり教えられたことをお話ししました.


【議論】
  • 富田さん
    原田さんが亡くなる前日に面談していた.
    12月2日当社の管理職23名に8名のSOLID社の人が工場見学に対応してくれた.
    当社の管理職は大きなカルチャーショックを受けた.
    SOLID社は学校であり家−−入学者と卒業者がいる.自己成長の場といえる
    調和のとれた家だ.
    23名が工場見学してそのあとすぐに実行したことを紹介
    1. 小プロジェクトの立ち上げ
      • 品質向上
      • OAプロジェクト
      • 残業は付かない

      その結果,参加者のチームワークの向上の効果が出てきた.

    2. 社内新聞の発行
      2月初号・5月2号10名の編集委員を公募して発行.
      会社が家(百楽仕之家)という名前を公募して付けた
      85%の故郷に会社が郵送
      親から安心感の反応

    3. 階層別の会議を始めた

    4. 教育に関するアンケートを実施して,勉強会を始めた.
      • 日本語
      • 英語
      • コンピュータ

      社内から先生を公募して週一回午後6時から8時まで
      日本語中級は富田氏が自ら先生をしている.
      コンピュータの教育室を作り来月から10台のPCで開始.
      難しいことはなかった.考えたことをすぐやることが大事

    5. 当社が今までやっていること
      • 笑顔であいさつ −− 6年前からやってきている.5S+Smile
        毎朝7時50分〜8時2列に並んであいさつの練習をやっている
      • 新入社員との面談会
        毎月1回富田氏が実行

      原田さんの経営理念を伝えて行きたい


  • 閻苗苗さんは,なぜ秘書になりたいと思ったのか?SOLID社の制度や原田さんの行動や言葉の中に,自分の成長意欲を高めるものがあったか?

    2005年にSOLIDに入社当時は,学生の気分で立ち仕事の忍耐力が無かった.
    社内募集を見て,秘書になりたいと思った.
    能力を発揮できるチャンスがあることが大事.努力すれば報われる.
    目標と夢があれば努力することができる.
    原田総経理が指導しているのを見て直接指導を受けたいと思っていた.

  • 入社時の目標と今の目標は変わっていますか?

    ホワイトカラーになりたい.
    教えを受けて管理職になりたい.
    受動的だったが,原田総経理には主体的に行動することを指導された.
    継続的に自主的に考えるように指導する.

  • 社内の教育はどのようにされていたのか?

    自主勉強会がいくつもあり,定時後会議室に集まって勉強をしていた.
    文員は社外に住まうことになっている.通勤バスは終業一時間後に出して勉強会に参加する環境を作ってあった.

  • 食事に関する不満はなかったか?それをどう解決していたか?

    原田氏が着任当時,食事に不満がある人を集め食堂改善プロジェクト立ち上げた.
    満足度の電光掲示板をつくり,一定以上の満足率だと食堂職員に10元のボーナスが出る.一日3回満足だと30元もらえる.これで食堂職員のモチベーションが上がる.

  • SOLID社の離職率は?

    毎月7%前後.内訳は
    員工6%
    職員1%
    離職理由:自我発展,創業,学習,結婚
    作業員の離職率は高い.作業は比較的簡単で,熟練度は3カ月で習熟してしまう.
    原田氏がいなくなった後情報公開に制限が少しずつ出てきて,離職率が高まりつつある.

  • ジョブローテーションをかけると,離職してしまうものが多い.SOLIDではどうか?

    ジョブローテーションは辞める理由になっていない.
    ジョブローテーションの目的が,社員の成長のためと,きちんと説明するから.

  • 苗苗さんの弟は作業員としてまだSOLID社で働いているが,彼の目から見た原田氏以後のSOLIDの変化はあるか?

    1. 全員の給料明細が公開されなくなった
    2. 新総経理は生産・品質で人を育てることはやらなくなった


  • フォックスコンやホンダで自殺,ストライキが発生しているが,苗苗さんはどう見ているか?

    1. フォックスコンとSOLIDの違い
      フォックスコンは軍隊式管理.それに対しSOLIDは人心管理
    2. フォックスコンの待遇は悪くないといわれているが,上司が部下に命令方式で思いやりが無い.
    3. フォックスコンの宿舎はそんなに悪くないが,5時以降外で買い物してはいけない→ヘンなものを食べて病気にならないよう.
    4. フォックスコンでは完全に管理され機会人間のようだ
    5. フォックスコンでは余暇的な自由時間が無い


  • SOLIDでは採用面接時に何に着目していたか?

    • 目立つ服装
    • 名前を先に書くように指示したときに,そのとおりに出来るかどうか見る.
    • 筆跡で性格分析
    • ラインの管理職,人事部の管理職複数で面接
    • 素質(人間性)が重要な判断基準(話し方,行動などを観察)
    • 持ってきたもの
    • 誰と来たか
      男友達と来たのは採用しない.男友達が転職すると,一緒に会社を辞めてついていってしまう.


  • SOLID社では性格テストを実施していると聞いたが?

    スタッフは上海の日本心理研究所の試験を受ける.50%以上得点が出来ると文員昇格の条件が満たされる.

  • 秘書のキャリヤパス

    別に部長の秘書を経て,社長の秘書というわけではない.


    【林の個人的感想】
    今回のゲスト閻苗苗さんは,浙江省・永康市からバスで3時間かけ杭州飛行場まで出てきて,飛行機を乗り継いで参加してくださいました.感謝です.
    SOLID社人事部・關部長,SOLIDO社元陸副総経理秘書・許梅さんが参加してくださり,勉強会を盛り上げてくださいました.感謝です.
    また今回も多くの方にご参加いただき感謝しています.一番遠い方は上海からのご参加でした.

    今回は上級管理者ではない閻苗苗さんの口から,原田氏がどのように従業員に教育をしていたかが聞け,有意義だったと思っています.

    個人的には,原田氏が亡くなる直前にトイレのチェックリストに関して指導をしておられた点について心に突き刺さりました.2005年1月初めてSOLID社に訪問した時に,トイレに貼ってあったチェックリストを見て,この工場はただ事ではないと直感したのを覚えています.原田氏はそれが崩れていくのを怖れ,常に観察・再指導をされていたのですね.

    また閻苗苗さんが,原田氏が亡くなられた後宿舎を整理にいったときの話は,危うく落涙するところでした.原田氏は生前「明日来いと言われれば,ボストンバック一個ですぐにでも再建に出かけられる」とおっしゃっていました.彼のストイックな人生哲学を垣間見た思いです.


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posted by 林@クオリティマインド at 13:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 原田式経営哲学勉強会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月05日

企業の最終兵器

業績を上げるためには,従業員を育てなければならない.しかしそれだけでは,会社は育てられない.

以前サラリーマンだった時に,インドネシアに工場を立ち上げた事がある.この時はすばらしい工場を立ち上げられたと自負していた.当初鍛え上げた作業員たちは,改善意欲が高く,「不適合」に敏感な立派なリーダに育った.

当時は生産委託先で問題があるたびに「インドネシア工場を見習え」と発破をかけていた.実際にインドネシアまで工場見学に行かせたこともある.

しかし「継続」ができて初めて工場を育てたといえるだろう.
優秀なリーダがやめてゆくたびに少しずつ工場の力は落ちていった.
リーダたちは自らのキャリアアップのために,どんどん転職してゆく.
当時はリーダの離職をどうしたら止められるかと考えていた.

しかし解決方法はそこにはなかった.

育てたリーダの能力(暗黙智)を組織の形式智に置き換える.
組織の形式智を次々と新しいリーダに受け継がせるための仕組みと仕掛けを導入しなければならない.そしてその仕組みと仕掛けがうまく回る企業文化を構築する.それができて初めて「継続する」という課題が解決できる.

5年前に原田則夫氏に出会ってそれが分かった.
前職時代にこれが分かっていれば,きっとインドネシア工場の経営をさせてくれと上司に願い出ていたと思う.

初めて原田氏の工場・SOLIDを訪問した日の夜,ホテルに戻り長文のメールを元同僚に送った.
現在インドネシア工場は,より高付加価値・高品質の製品を生産し,世界中に供給している.元同僚たちが立派にインドネシア工場を育ててくれた.


人財は企業最大の戦力であるが,人財が継続して育つ仕組み・文化は企業の最終兵器だ.
posted by 林@クオリティマインド at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする