原田師はアイディアマンであり,彼の経営手法には分かり易く名前がつけられています.
「金魚鉢理論」もそんな経営手法の一つです.ただしこの手法は劇薬であり,使用法を間違うと逆効果になります.
金魚を飼うためには,金魚鉢の水を取り替えなければならない.
これと同様に組織を活性化するためには,人材を入れ替える必要がある.
というのが「金魚鉢理論」です.
金魚鉢の水を取り替えるのと同じように,組織の中の人材も定期的に入れ替えなければならない,という考えかたです.しかも取り替えるときは上からごっそり取り替える.
組織の中の人が固定化してしまうと,組織の成長が停滞します.組織の中にいる人も成長のスペースを感じられなくなり閉塞感を持つようになります.
停滞(酸欠状態)が発生する前に,人材を上から入れ替えてしまうのです.
これにより,入れ替えた人材は更なる成長機会が得られます.
また組織内に残っているナンバー2,ナンバー3にもチャンスが回ってきます.
このチャンスが組織のモチベーションを与えることになるのです.
しかし「金魚鉢理論」は次々と人が育つ文化がなければうまく回りません.
組織のリーダを外に出したとたんに,組織が回らなくなってしまうでしょう.
同様に人が次々と育っても,その成果を発揮できるポジションがなければ閉塞感が増すだけです.
従って,人が次々と育つ土壌と「金魚鉢理論」は相互に補完しあう企業文化の一部でなければなりません.
【関連する記事】