「規定を明確にしてから,叱れ」というのがあります.
民主的な組織では,規定や罰則が明確になっているものです.
規定・罰則が指導者の都合や気分で変わる.こういうのを独裁組織とか,人治組織といいます.こういうことの無いようにと戒めたのが,この条文です.
昔原田師の下で働いていた人のブログにこんなエピソードが出ていました.
SOLID社のオーナーの息子がカナダ留学を終え,SOLID社に入社しました.従業員たちは,将来彼が経営の座に着くのだろうと思っていたでしょう.
彼は仕事を覚えるために社内のいろいろな部署で実習をしていました.
彼は春節直前に,オーナーの用事で会社を休んだ.しかしSOLID社には長期休暇の前後には休みを取ってはいけないことになっています.
そこで原田師はオーナーの息子に解雇を言い渡した.
さすがにこの時は当時の部長さんたちが,原田師を思いとどまらせ,オーナーの息子を「董事長室」という閑職に就けることで収めたそうです.
決まりがあるのに守らなかった,という事に対し厳しく対応したわけです.
もう一つエピソードがあります.
作業員から昇格したばかりの女性スタッフが,生産に使う副資材の発注の仕方がよく分からなかった.そこで前任者がやっていたとおりに発注していました.
しかし生産量が落ちている時期だったので,たちまち数万元の在庫が倉庫に積みあがってしまった.
これに気がついた製造部長は,会社に損害を与えたのだから解雇しようと,原田師に進言したそうです.
しかし原田師は「自分の娘がたった一度過ちをしただけで,そんなに厳しい処分をするか?」と諭したそうです.
規定が明確になっていないのに,叱ることはない.というわけです.
むしろ彼女に適切な指導ができなかった上司に責任があります.
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