「自立心と参画意識と問題意識を育てろ」
という一条がある.
これをよく体現しているのが社内プロジェクトだと考える.
原田師の工場SOLID社では,常時30くらいの社内プロジェクトが走っている.
これらのプロジェクトは自発的に始まり,ボランティアでメンバーが集まる.
原田師がSOLID社で初めて立ち上げたのは「食堂改善プロジェクト」だ.当時従業員の多くが社内食堂に不満を持っていた.実際に原田師のところに不満を言いに来る従業員があった.原田師はその不満を言ってきた従業員をリーダにして「食堂改善プロジェクト」を起こしたのだ.
その後も食堂の改善は続いている.
2005年1月に訪問したときにご馳走になった昼食(2元)は特別おいしいというほどではないにしても『還可以』(まあまあ)というレベルであった.
2009年12月最後に食べた昼食は同じ2元でも「これが食べられない日本人は中国駐在を諦めた方が良い」というレベルに達していた.
それよりも何よりも,食堂のホールスタッフの対応がとても気持ちよい.
また厨房のコックたちも,週替わりで自慢の副菜を提供している.これで誰の副菜が一番人気があったか消費量で競っている.
このような工夫で食堂の質をどんどん上げて行ったのだ.
同様に社内OAシステム開発のプロジェクト,作業員雇用のプロジェクトなどが常時走っている.
プロジェクトに入っていても何も評価はされない.またプロジェクトに入っていなくても何も悪い評価はつかない.(ただし何もしない人は,この会社に向いていないのではないか,という目で周囲から見られることになる)
このように自立心と参画意識を高揚するのに,プロジェクト制度は大いに活用されている.
ある時期までは指導者が一緒になって,プロジェクト活動をしなければならないだろうが,メンバーが育ってしまえば自由にさせておいても成果を出してくる.もちろん放っておく訳ではない.きちんとフォローし関心を示してやる.
このようにすることによりプロジェクトメンバーは,任されている,成果を認めてくれているという感覚を持ち,モチベーションが上がる.
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