明治大学・である.
彼女はしばしば,原田式経営哲学を「人心管理経営」とおっしゃっている.
的を射た言い方であるが,なにかしっくり来ないと常々感じていた.
今日は「人心管理」について考察してみたい.
管理という言葉が違和感の源泉と感じている.
管理と言う言葉は「コントロール」という英語を想起させる.
Quality Controlの日本語訳は品質管理である.
コントロールという言葉は,ばらつきを一定の範囲に押さえ込むことである.
どうも違和感の原点はここに有るようだ.
人心管理を英文に直してみると「マインド・コントロール」ということになるだろうか.
人の心のありようはかなりばらついている.これを一定の範囲に押さえ込むのが「マインド・コントロール」だ.「マインド・コントロール」を組織の中で達成しているのが「宗教団体」ではないだろうか.
では「人心管理」を「マインド・マネジメント」という英語に置き換えてみたらどうなるか.
マネジメントというのは,多様性を認め,その上で組織を一定の成果に向けて導くことだ.
つまり,「マインド・コントロール」は,「人心管理」「人心統制」であり,組織に所属する人々の心を,組織目標にあうように一定の範囲に押さえ込むことだ.
一方,「マインド・マネジメント」は,組織の人々の心の有り方の多様性を認めたうえで,組織を目標達成に向けて導くことである.すなわち「人心理解」であり「人心活用」だ.
マネジメントという概念は「管理」ではなく「経営」の方が近いような気がするが,残念ながらうまく日本語に置き換えられない.
そこで「原田式経営哲学」は「人心マネジメント」による経営哲学だ,と表現してみてはどうだろうか.
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