年に2回作業員から間接職員への登用試験がある.試験で合格点を取り,人民裁判に合格すればスタッフ職員となることが出来る.
原田師は極力内部の人間の能力を高め,登用するよう努めておられたと理解している.
例えば,プラスチック成型の金型製造の能力が足りない.こういう場合中華系企業は動きが早い.そういう人材を見つけてきて雇うだけだ.
しかしこういうことを続けていると,従業員の給与テーブルに歪が発生する.
SOLID社にはかなり大型のプラスチック成型機もあるが,金型を作れるエンジニアがいない.原田師は当然これをよしとしていたはずはない.今のところ金型の修理しか出来ないと説明された時には,内心忸怩たる思いを持っておられただろう.
それでも外からそういう能力を買ってくることはしなかった.
金型の修理をしている技術員たちに,廃棄処分にした金型を,金型材料として再利用し,爪楊枝を入れるケース,小さなプラスチック椅子などを作らせていた.こういうことを通して,技術員の能力を高めようとしていたのだろう.
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